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ザ・草  「雑草研究道場」

雑草の攻略法 [第二章]雑草の生きざまを知る

我が国では水田雑草が191種、畑雑草が302種、そのうち田畑共通のものは76種(笠原、1978)と数多くの雑草がありますが、それぞれが特有の生態的、生理的な特性をもっています。

1.繁殖のしかた

雑草には、種子で増えるもの、塊茎や地下茎などの栄養繁殖体で増えるものがあり、大きく一年生雑草と多年生雑草に分けられます。

1)一年生雑草

カラスノエンドウ

一年生雑草とは一年以内に生活環が完了する雑草で、種子によって繁殖します。耕地のなかの一年生雑草は作物の栽培期間に繁殖源である種子を生産することで耕地に適応してきました。そのため生育期間が短いものが多いです。例えば、代表的な畑地雑草であるスベリヒユやイヌビユなどは、夏期には出芽してから1ヶ月程度で種子を生産することができ、夏作物の収穫期までに、大量の種子を畑に撒き散らします。

一年生雑草は発生と生育の時期によって夏雑草と冬雑草に分けられます。春に芽が出て夏から秋に開花し結実するものを夏雑草といい、メヒシバ、イヌビエ、カヤツリグサ、コナギ、スベリヒユなどがあげられます。一方、秋に芽が出て、翌年の春から夏に開花し結実するものは冬雑草と呼び、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、ハコベ、ナズナ、ヤエムグラなどがあります。年を越して生育することから越年生雑草と呼ぶこともあります。

しかし、これらの呼びかたはどの地域でもあてはまるものではありません。北海道や本州の高冷地では、スズメノカタビラ、ハコベなどは夏でも発生し、年間を通して圃場の中に存在する状態がよくみられます。

一年生雑草は、毎年大量の種子を生産します。また一般に種子の寿命が長いことから、防除においては翌年以降の発生源を増やさないということ、つまり種子を生産させないことが重要です。

2)多年生雑草

群生したスギナ

多年生雑草とは、生育期間が2年以上にわたる雑草で、地上部が枯れても地下部の栄養繁殖器官が生き残り、その後の好適な条件で萌芽、再生するものをいいます。多年生雑草は、その繁殖特性から親株型、分株型、匍匐(ほふく)型に分けられます。

親株型:オモダカ、イヌホタルイ、タンポポ類、ギシギシなどは、地ぎわから分げつするか、根出葉(地中や地ぎわの茎基部から直接葉が出て、地面にはりついたように展開する)を出して株を作ります。これらは概して種子の生産量が多く、イヌホタルイなどは多年生というよりむしろ、種子繁殖中心の一年生雑草としての生育特性を示します。

分株型:ウリカワ、ミズガヤツリ、コウキヤガラ、クログワイ、チガヤ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ハマスゲ、スギナなどは、生育期間中に地下茎を伸長させ、その先端や途中の節から地上茎を出芽させて、生育します。根茎や塊茎を形成し、これが主な繁殖源となりますが、これらは複数の側芽を持っており、主芽が損傷を受けて欠落しても側芽が萌芽します。分株型の多年生雑草は概して繁殖力が旺盛で再生力も強いです。スギナのように地下茎が地表下20〜30cmに分布し発生深度が深いものもありますし、ハマスゲなどはロータリ耕などで地下茎が細断されても容易に再生するなど、一度圃場に侵入すると防除が困難となる雑草も数多くあります。

匍匐型:キシュウスズメノヒエ、アシカキ、セリ、オオジシバリ、クズ、ヤブガラシなどは、匍匐茎が地表や地面の浅いところを這い、節から芽や根を出して繁殖します。地上をはっていくものはほふく茎の伸長が速いものが多く、なかでもクズは夏場には一日に30cmも伸長し、あっというまに繁茂してしまいます。

多年生雑草は耕起が頻繁に行われているいわゆる熟畑には少なく、果樹園、道路・鉄道周辺、堤防のような耕起が行われない管理条件下で多くみられます。しかし、耕地でも粗放な栽培下や、畦畔など圃場周辺の管理を怠っている場合には、圃場内に侵入し旺盛に繁茂するので注意が必要です。また、一般に多年生雑草は、一年生雑草に比べ土中の深いところから発生し、発生期間も長いため、土壌の表層に散布して雑草が生えてくるのを防ぐ除草剤(土壌処理剤)では効きにくいものが多く、防除には、生えてきたものを枯らす除草剤(茎葉処理剤)に頼る場合が多くなります。

2.水分条件による発生雑草の違い

雑草は水田から乾いた畑まで至る所でみられますが、それぞれの雑草には適した水分条件があります。

1)水生雑草

タマガヤツリ、マツバイ、アゼナ、ミゾハコベ、コナギ、キカシグサなどで、水田雑草の多くがこれに属します。水生雑草は湛水条件で発芽、生育することができます。

2)湿生雑草

畦畔と水田内に生えた湿性雑草のクサネム

タイヌビエ、イヌビエ、アゼガヤ、スズメノテッポウ、ヒデリコ、トキンソウ、ノミノフスマ、タカサブロウ、イボクサ、クサネムなどで、湿潤な土壌条件で発芽、生育するものです。湛水条件で発芽できるものもありますが、多くは飽水条件で発芽します。畦畔ぎわや中干期以降の水田によくみられます。

これらは田畑共通の種が多く、雑草管理を怠った水田に翌年大豆を作付けた際に、アゼガヤ、クサネム、タカサブロウなどが大発生することがあります。

3)乾生雑草

メヒシバ、エノコログサ、オヒシバ、ナズナ、ハコベ、スベリヒユ、シロザなどで、乾燥した畑状態に発生します。畑雑草は乾生雑草が大部分です。乾生雑草は湛水条件では発芽しません。

3.作物、地域などによる発生雑草の違い

作物により水分条件、栽培期間、耕起の有無などが異なり、同じ作物でも地域によって温度条件をはじめとした栽培条件が異なります。

水田では全国的にみられる草種として、タイヌビエ、イヌビエ、コナギ、タマガヤツリ、キカシグサ、イヌホタルイなどがありますが、北海道や東北など冷涼な地域では、ヘラオモダカ、エゾノサヤヌカグサ、ヒルムシロ、ミズアオイなどが、関東以西の温暖な地域では、ヒメタイヌビエ、アゼガヤ、キシュウスズメノヒエなどが多くみられます。

外来雑草のイチビ

畑地においては、全国的にはメヒシバ、ヒメイヌビエ、イヌタデ、ハルタデ、ナズナなどの雑草が分布していますが、北海道や東北、本州の高冷地ではアキメヒシバ、シバムギ、ハコベ、シロザなどが多く、九州などの温暖な地域では、オヒシバ、エノコログサ、チガヤ、カヤツリグサ、ハマスゲ、スベリヒユ、ムラサキカタバミなどが特徴的に多くみられます。飼料畑では、一般の畑地ではあまりみられないイチビ、ハリビユ、オオオナモミ、アレチウリ、チョウセンアサガオ類などの一年生雑草や、ショクヨウガヤツリ(キハマスゲ)、ワルナスビなどの多年生雑草が大発生していることがあります。

大豆畑のアメリカアサガオ

これらは、外来雑草と呼ばれるもので、ここ20年ほどで急激に増加しました。家畜用の飼料用穀類や粗飼料の輸入が多くなり、飼料に混入していた雑草種子が未熟堆肥の施用で拡散されたことが主な原因です。問題が顕在化しはじめた当時は飼料畑や牧草地のみに限られていましたが、除々に生息する範囲を広げ、現在では一般の畑地でも発生し問題となっています。主なものとして、大豆畑におけるアサガオ類やホオズキ類、麦畑のカラスムギやネズミムギがあげられます。

果樹園では、ヨモギ、メヒシバ、スギナ、チガヤ、ハコベ、イヌタデ、イヌビユ等は全国的に広く発生して問題になりますが、その他にリンゴ園等の比較的寒冷な地域ではカモガヤ、シロツメクサ、エゾノギシギシ、セイヨウタンポポ等が、西南暖地のカンキツ園等では、ヒルガオ、ムラサキカタバミ、ハマスゲ、チガヤ、ススキ、ギシギシなどの雑草が多いという調査結果があります。果樹園は一般の畑地と比べ耕起作業が少ないことから、一年生雑草に比べ多年生雑草が優占することが多くなります。発生する雑草は作目によっても異なります。カンキツ等の低木の常緑果樹では、常に葉によって日射がさえぎられ、樹冠下には日陰に弱いメヒシバなどの雑草は生育できず、樹間と樹冠下で雑草の種類が異なります。一方、モモ、ウメなどの落葉果樹の場合は寒い時期には落葉しますが、生育期にも樹冠下まで十分に日射が当たって樹間も樹冠下も同様な草種が繁茂しやすいです。日本ナシやブドウ、キウイフルーツ等棚仕立ての果樹園では、冬季は落葉して地表面に日射が当たりますが夏には枝葉が繁茂し、樹冠下が全面的に暗くなるため光を好むメヒシバやハコベ等の雑草は減少し、オオバコ、シロツメクサ等が増加する傾向がみられます。

このように、雑草は農業や人間生活の狭間で特性を生かせる場を見つけ、したたかに生存しています。雑草の防除手段、とくに除草剤の選択に当たってはターゲットとする雑草の特性を把握しておくことが大事です。

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