どんな場面でも高い除草効果を発揮すること。環境への影響が少ないこと。非選択性茎葉処理除草剤「ザクサ」。

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ザ・草  「雑草研究道場」

非選択性茎葉処理除草剤「ザクサ液剤」をより効果的にご使用いただくためには、身の周りにはびこる“雑草の正体”を知ることが一番大事です。

ここでは、雑草の生態や雑草害について、様々な角度から研究されている先生方に、その防除方法に関する知見について執筆いただき、皆様の雑草との闘いのお手伝いができればと考えております。

雑草の攻略法 [第一章]雑草の力を知る

財団法人 日本植物調節剤研究協会
研究所 試験研究部長 土田邦夫

「雑草」という言葉でまず思い浮かぶのは、「雑草魂」、「雑草のようにたくましい人」という使い方ではないでしょうか。どんな環境でも生き延びられて、踏まれてもむしり取られても不死鳥のように甦り、いたるところに種をばらまき子孫を増やす生命力、そこから不屈の精神力の代名詞として用いられているのでしょう。しかし、「雑草」って本当にそうなのでしょうか。確かに雑草の繁殖力、生命力は偉大です。しかし、この偉大な難敵たちにも弱点はあるはずです。その弱点を知っておけば、攻略は容易になります。

1.雑草の害

雑草は、作物の栽培や人間の生活の中でどのような害を及ぼすのでしょうか。以下に具体的な事例を紹介します。

1)作物の収穫量の減少

写真1.雑草との養分競合によるイネの生育不良(黄色い部分)

水田や畑の中に作物と雑草が同時に生えていると、作物の生産に必要な光、水、肥料養分が雑草に奪われて作物は十分に生育できなくなります。このような競合が生じると、目標としていた作物の収穫量が達成できないことがあります。

水田では、雑草の発生量とコメの収穫量の関係について古くからさかんに研究されてきました。例えば、水田で最も重要と言われるノビエが田植え直後にu当たり40本程度発生した場合、収穫量が35%減少し、10本程度の発生でも14%減少します(千坂ら)。田植え後に雑草を放任した場合、コナギ、キカシグサなど草丈の低い草種が優占すると、収穫量は18%減少します(荒井ら、1956)。コナギは、重要な肥料養分の一つである窒素をイネの2倍ほど吸収するため、見かけ以上に大きな影響を与えるのです。また、多年生雑草のイヌホタルイ、ミズガヤツリ、ウリカワ、クログワイ、ヒルムシロが繁茂すると、収穫量は最大60%まで減少し、一年生雑草のマツバイによっても20%まで減少する例も知られています(草薙、1976)。

畑作では、メヒシバ、イヌビエなどのイネ科雑草が大きな問題となります。これらの雑草は地上部の生育が速い上に、根も旺盛に生育して土壌の肥料養分や水分を奪って、作物の収穫量を低下させます。落花生のように草丈の低い作物を栽培してメヒシバの防除に失敗した場合、収穫量が皆無になることもあります。また、シロザやタデ類、ヒユ類などさらに大きくなる雑草は、光を遮って作物の生育を著しく抑制することがあります。  樹園地では、雑草が繁茂しても、果樹、茶、桑といった作物の丈が大きく、比較的根も深く分布するので、直接的な影響は少ないと思われがちです。しかし、いったん雑草と肥料養分や水分の競合が起きてしまうと、その年の収穫量が減少するだけではなく、樹勢が低下し、長年にわたって影響が残ることがあります。また、ヤブガラシ、カラスウリ、カナムグラなどつる性の雑草に樹冠を覆われてしまうと、光を遮られて衰弱し、ときには枯れてしまいます。これはとくに若木で起きやすい現象です。
このような事例から、作物の収穫量を安定させる上で、雑草防除がいかに重要なことかが分かります。


  • 写真2−1.種まきから1ヶ月間除草した畑のトウモロコシ

  • 写真2−2.種まき後1ヶ月間(撮影直前まで)除草をしなかった場所のトウモロコシ

2)作物の品質への影響

クサネム

雑草は作物の生育に必要な肥料養分、水分、光を奪って収穫量を低下させるだけではなく、収穫物の品質を悪化させることが多々あります。雑草が繁茂すると、野菜類では奇形果ができたり、色づきが悪くなったりします。また、イネ、ムギなどの穀類では、倒伏して登熟が悪くなったり、収穫時に雑草の種が混入して等級が落ちたりします。例えばマメ科雑草のクサネムや、赤米などの雑草化したイネ(雑草イネ)の種子は、玄米と形や大きさや、比重が似ているため、混入すると選別が非常に困難です。これらは、玄米1000粒の中に1粒入っただけでも商品の等級が落ちてしまいます。大豆畑ではコンバイン収穫時に草丈の大きい雑草があると、大豆と共に刈り取られた雑草の汁が大豆の粒に付着し色が着くことがあります。これは汚粒と呼ばれ、商品価値が下がります。

3)作業性の低下

雑草は作物を栽培する際に様々な作業の支障になります。水田や畑を耕起する時や収穫時に雑草が繁茂していると、機械の走行速度を低下させたり、ロータリ刃へ絡みついたりします。また、木化した雑草の茎がコンバインの刃にはさまると、その都度作業を中断して除去しなければならないため、作業効率が著しく悪くなり、機械への負荷も大きくなります。水田畦畔や果樹園などでは、雑草防除を怠ると肥料や農薬を散布際に歩行や機械の走行のじゃまになり、均一な散布が難しくなります。

4)病害虫の発生促進

雑草中のトゲシラホシカメムシ

雑草には害虫や病原菌の宿主や越冬場所になるものがあります。例えば、メヒシバは縞葉枯病ウイルスの宿主に、スズメノテッポウはヒメトビウンカの越冬場所に、ワルナスビはトマトモザイクウイルスの宿主となります。これらの雑草を繁茂させたり、刈り取った草を放置しておくと、翌年害虫が大発生したり、病気が蔓延することがあります。

また、イネの重要な害虫にカメムシ類がありますが、カメムシはイネの子実(籾)よりもノビエやメヒシバなどイネ科雑草の子実を好んで吸汁します。畦畔や周辺の休耕田などの雑草を放っておくと、カメムシを呼び込むこととなり被害が大きくなることが知られています。

5)家畜への影響

飼料作物の中に入り込んだワラビ、ギシギシ、スギナなどの雑草を牛が多量に摂取すると、牛は病気になってしまいます。また、牛に直接的な影響はなくても、牛乳の品質を低下させる雑草もあります。イチビやカラクサガラシが混入した飼料を食べた牛からとれた牛乳に異臭がしたため、タンクローリー一台全てを廃棄処分した事例もあります。

6)交通障害

電話線に絡まりながら歩道を圧迫するクズ

雑草は作物栽培場面だけの問題ではありません。道路や鉄道でも様々な障害を引き起こします。雑草の丈が伸びると景観的に良くないのはもちろんですが、カーブなどで見通しが悪くなり、また、標識や誘導反射板が隠れたりして非常に危険な状態となります。つるを伸ばし旺盛に生育するクズは、高速道路や線路に這い出して交通の障害になったり、スリップ事故の原因にもなります。 

7)健康・衛生面への影響

カモガヤ、ブタクサなどの雑草が花粉症の原因になることはよく知られています。生活面では、住宅地の空き地などに雑草が生い茂ると、空き缶などのポイ捨てをはじめ、家庭ゴミ、はては粗大ゴミまで捨てられてしまいます。ゴミ捨て場となった雑草地には蝿、蚊が発生し、野良犬のすみかとなって衛生的にも問題となります。

このように、雑草は作物栽培から私たちの生活まで広い範囲で害を与えています。

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